コンビニでたまに見かける親子連れ。
広末涼子似の母親と5,6歳の女の子、下の子は男の子で2,3歳。
女の子はやぶにらみだし、男の子は鼻を垂らして始終甲高い声で叫び、手あたり次第商品をつかむ。
野性的な子供たちと母親の風貌がどうにもミスマッチで、いろいろ想像してしまう。
昨日はやけにお行儀がよかったので、しばらくの間存在に気づかなかった。
他のコンビニと同様、窓際のスタンドに雑誌や書籍が並べてある。
親子三人、そこに座り込んでいた。
絵本の読み聞かせである。
妙な光景だ。
人がワサワサ傍らを通るのも気にならない様子。
こちらは気になる。
「立ち読み禁止」のプレートが赤文字で表示してあるが、座り読みならOKと思ったのか?
スタッフはレジで忙しいらい。
抑揚のない声で、あっという間に読み終わり、立ち上がるかと思いきや、
「もう一遍、読もうか?」
子供たちは頷くでもなく、貧乏ゆすりをしている。
広末は、また初めから読み始めた。
3回目を読み終わり、何事もなかったように立ち上って、絵本をスタンドに戻す。
子供たちが握りしめていた棒菓子も
「これはおうちにあるでしょう」
と、取り上げて缶詰の上へ。
子供たちは不満そうな顔つきだったが、引きずるようにして店から出ていった。
数日後、コンビニに寄ったら、すべての書籍にテープで封がしてあった。